Abstract:
これまで谷崎潤一郎作品に出現する複合動詞をマニュアルにて抽出し、データベース化してきた。今後、さらに多くの谷崎作品から複合動詞を網羅的に取得するにあたり、検索作業の自動化を試みた。本稿では、既存の複合動詞データベース3件(野田2013, 山口2013,国立国語研究所2015)のデータを統合して検索・処理に使用し、谷崎作品に応用した結果に基づいて評価をおこなう。また、複合動詞と単純動詞を区別せず、一般動詞の語彙素として認定しているUniDicの解析データの問題点の克服を試みるとともに、さらに、既存の複合動詞データベースに含まれない「新しい」複合動詞の候補を効率よく発見するための工夫についても紹介する。